第1回「FSF」に登場! 60年前に生まれたアバルトの正体とは?
2023.05.12
1960年代初頭、FIAスポーツカー耐久選手権のGTカテゴリーに1000cc以下クラスが成立したことから、アバルトはそれまで国内戦やヒルクライムを戦っていた750~1000レコードモンツァ・ビアルベロに、大幅な改良を加えたニューマシンを開発。その成果として62年に誕生したのが、今回のアバルト・クラシケ走行会に3台も揃った1000ビアルベロGTだ。
直列4気筒982ccのDOHC(ビアルベロ)エンジンは、2本のカムシャフトの間から吸気する珍しいレイアウトこそ従来型ビアルベロと不変ながら、チューンは格段に高められていた。また、レコードモンツァ時代にはザガート社製だったアルミボディは、ベッカリス社を経てシボーナ・エ・バサーノ社に委ねられた。
こうして誕生した1000ビアルベロGTは、デビューシーズンの1962年から製造者部門年間タイトルを獲得。新たにロングノーズに改められた翌63年シーズンにもタイトルを連覇し、60年後の現在に至る伝説を築いた。
第1回「富士スピードフェスティバル」に参加した3台のうち、初期のショートノーズ車である1963 FIAT ABARTH 1000 BIALBERO GTは、1964年7月に船橋サーキットで開催された「第一回全日本自動車クラブ選手権レース大会(通称CCCレース)」にて、立原義次選手のドライブで17周目までトップを快走しつつも、エンジントラブルでリタイアした歴史を持つ。その後は、国内のさる有名なアバルト愛好家のもとで長らく過ごしたのち、近年になって現オーナーのもとへと譲渡されてきたという個体である。さらなる詳細はTipo 387号 「魅惑のアバルト」をチェック! https://amzn.asia/d/iBntdJA